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家族の心を育む住まい

- 未来住宅提案 -

 このパネルは、2001年1月に、名古屋市民ギャラリーで開催された「20世紀の建築文化遺産展」の未来住宅提案として展示したものです。

 私が、「未来住宅」というものを考えた時、最初にイメージしたのは、これからの家族の在り方でした。複雑な社会環境や生活状況をふまえた上で、それでも一つのまとまった家庭を営んでいくために、建築家としてよりも一人の父親として、頭によぎった様々なことを繋ぎあわせ、形にしていきました。

 畑があったり、物見塔があったり、大きなテーブルや味噌蔵があったり...これらのアイデアは、総ての家庭に当てはまるものではありません。ある意味一つの象徴的存在として受け止めていただけたらと思います。子供と一緒に汗を流して野菜を育てたり、家族で仰向けになって雲や星を眺めたり、それぞれの事をしていても家族が顔を向け合っていたり、家族共通の味覚を育んだり...といった具合にです。

 20世紀という時代は、効率化を追い求め過ぎて、こういった部分を切り捨ててきてしまいました。そして、そのことが人本来の在り方との間に大きなギャップを生じさせてしまい、家族や社会に深刻な問題を生み出しているようにも思います。

 自らの記憶の中で、彼方にいってしまった情景を呼び戻し、自分らしさや自分の家族らしさを育んでいける家づくりが、これから必要とされているのだと思います。

- 21世紀住宅 -

 20世紀は、エネルギーに支えられた様々な産業が発達し、人々はその周辺で活動をするために 生まれ育った土地を離れ、産業の地へと移り住んだ。その時人々は、本当の意味での、「そこに住むべき理由」というのを失ってしまった。そのことが、ストレスを生み、時には「暴力」的なトラブルを生む元となったのかもしれない。

 21世紀、私達は自らの意思によって、住処を定め、住み方を決めることができる。20世紀に失った「そこに住むべき理由」を、21世紀に取り返すことができた時、私達は生命を尊ぶ人間本来の生き方を取り戻すことができるはずだ。その場所で、空を眺め、畑を耕し、テーブルを囲み、家庭の味を感じ、顔を見合わせ...そんな日々の暮らしの中で、「家族の心」は育まれ、受け継がれていく。

住いのコラム
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